飄(つむじかぜ)

季節が巡り行くようにとどまれない定めだと知って
止まり木の渡り鳥は遥かを目指して飛び立つ
流れる雲の標しるべをひとつ心に掲げればいいさ
何かを遺せなくても代わる代わる日々の浮き船に
絶えず吹き荒ぶ風 外套を握り締め
項垂れてる木の葉も気付かれぬまま流れていくから
掴みかけたものからすぐに捻れて消えてくんだ
やがて塞ぎかけた瞼に滲んでいく灯籠
すれ違いの間際に不意に気が付いたとしても
振り向かないでおくれよ 還らぬ夢 流離う旅路を
金木犀の香りが異国の花の切なさを運ぶ
違う世界のルールじゃ何も癒せはしないんだよ
ひとしきりの幸せも自分次第だと言えないからさ
臆病風 吹き抜けた心を宥めるように
薄明かりの波間に 期待ひとつ投げ捨て
静寂と話した
「きっと何一つ変われないから…。」
荒みきった言葉で全てを翻してくんだ
いつか本当を知る未来に怯えている日々も
聳え立つ摩天楼さえも俯瞰したいと思う
紛れもない人生の最中に在る今だけど
遠ざかる街を背に 黄昏の空
胸に隠したことも全て抱え持って行くよ
のらりくらりと明日も笑っていられるのなら
深い願いも嘆くことも もう無くてもいいんだ
「叶わないから、届かないから…。」
掴みかけたものからすぐに捻れて消えてくんだ
やがて塞ぎかけた瞼に滲んでいく灯籠
すれ違いの間際に不意に気が付いたとしても
振り向かないでおくれよ 還らぬ夢の跡も
もう忘れておくれよ 今行くんだ 流離う旅路を
照らしている灯籠
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