美しきもの

天使 が抱いた窓枠の画布(トワレ)…ねぇ…その風景画(ペザージュ)…綺麗かしら?
セ(其れは――)
風が運んだ…淡い花弁(はなびら)…春の追想…
綺麗な音(ね)…唄う少女(モニカ)…鳥の囀(さえず)り…針は進んだ
セ(其れは――)
蒼を繋いで…流れる雲…夏の追想…
綺麗な音(ね)…謡う少女(モニカ)…蝉の時雨…針は進んだ
綺麗だと…君が言った景色…きっと忘れない…
「美しきもの」…集める為に…生命(ひと)は遣(や)って来る……
君が抱きしめた短い季節(セゾン)…痛みの雨に打たれながら…
「心配ないよ」…笑って言った…君の様相(ヴィザージュ)忘れないよ……
セ(其れは――)
夜の窓辺に…微笑む月…秋の追想…
綺麗な音(ね)…詠う少女(モニカ)…虫の羽音(はおと)…針は進んだ
セ(其れは――)
大地を包み…微眠(まどろ)む雪…冬の追想…
綺麗な音(ね)…詩う少女(モニカ)…時の木枯(こがらし)…針は進んだ
綺麗だね…君が生きた景色…ずっと忘れない…
「美しきもの」…集める為に…生命(ひと)は過ぎて行く……
君が駈け抜けた眩(まばゆ)い季節(セゾン)…病(やまい)の焔に灼(や)かれながら…
「嗚呼…綺麗だね」…笑って逝った…君の面影(イマージュ)忘れないよ……
君が生まれた朝…泣き虫だった私は…小さくても姉となった――
嬉しくて…少し照れくさくて…とても誇らしかった……
苦しみに揺蕩(たゆた)う生存(せい)の荒野を
「美しきもの」探すように駈け抜けた
果てしなき地平へ旅立つ君の寝顔
何より美しいと思ったよ……
君の大好きなこの旋律(メロディ)…大空へと響け口風琴(ハーモニカ)…
天使 が抱いた窓枠の画布(トワレ)…ねぇ…その風景画(ペザージュ)…綺麗かしら?
「私は世界で一番美しい『焔』(ひかり)を見た…その花を胸に抱いて…ロランの分も詠い続けよう…」
「其処にロマンは在るのかしら?」
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